昔テレビで見た「青の絨毯」を思い出して

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「行きたい!」と思える場所が見つかるきっかけの大半がSNSを占める現代だが、私の幼少期(約20年前〜)はテレビが主流だった。しかし、あまりテレビを見ないうえに家族旅行もしたことがない家庭だったので、当時の私は観光地にそこまで興味がなかった。


そんな私が、テレビで紹介された場所で「ここに行ってみたい!」と初めて思ったのは国営ひたち海浜公園のネモフィラ畑だった。『青の絨毯』と呼ぶのに相応しい一面の柔らかい青色の光景が、私の目に焼き付いた。スマホなんて存在しない時代だったので、紙の切れ端に地名をメモした覚えがある。


時は経ち、2023年。コロナ禍をきっかけに、私は旅行好きに目覚めた。もはや「行きたい場所」から旅行先を選ぶのではなく、「行ったことない場所に行ける飛行機や新幹線のセールを見つけたらそこに行く」という目的地の決め方をしていた。


ある日、行ったことのない都道府県をリストアップしていると「茨城県」が目に入った。茨城県…なんか行きたい場所があったような気が…と、昔の記憶を頼りに「茨城県 観光」で検索する。すると、幼少期に感動したあの青の絨毯が目に飛び込んできた。「これだ!これ行きたかった場所だ!」切れ端に書いたはずのメモは見つからなかったが、文明の利器によって私が昔「行きたかった場所」を思い出すことができた。(良い時代だ…)


ネモフィラが咲く4月下旬〜5月上旬の時期を狙って、国営ひたち海浜公園に行った。その日はとても天気が良く、快晴。ネモフィラ畑が広がる「みはらしの丘」に一直線で向かう。


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空の青とはまた趣の異なる、淡い…グラデーションのある…形容が難しいその青色は「ネモフィラブルー」としか表現できない美しさだった。ネモフィラの一輪を見ると薄い青色にも見えるが、引きで一面のネモフィラを見ると深い青にも見える。このまま飛び込んでしまいたいと思えるほどに引き込まれる花畑だった


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時折、ネモフィラ畑の中にポピーの花が咲いていた。青い絨毯の中にポツリと現れる朱色の花は、まさに「紅一点」だ。絵葉書のような美しい写真を撮ることができて非常に満足した。

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みはらしの丘の頂上に立つと、また少し違った景色が見える。光の加減か、丘の下から見上げたときよりも薄いブルーになっていた。風がそよぐと絨毯も小さな波を打つ。実際に現地へ足を運ぶことでしか見れない景色が、そこにはあった。テレビでは映し出せない360°のパノラマビュー。スマホでは教えてくれない花畑の匂い。丘の頂上に立って風を浴びながら、幼少期の自分に語りかる。


「メモ書きを残してくれてありがとう。その記憶のおかげで、見たかった景色を見に来ることができたよ。将来の自分を楽しみにしててね!」


現在の自分から過去の自分への感謝。過去の自分の夢を叶える現在の自分。過去と現在をつなぐ「旅行」。これだから、私は旅をやめられない。