憧れだった『犬の散歩』ができる場所

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小さい頃、犬を飼いたかった。多才で、忠誠で、可愛らしい姿がとても魅力的だった。しかし、住んでいた家ではペットを飼えなかったので諦めた。


その代わりというわけでもないが、カブトムシやクワガタなどを飼育していた。彼らの寿命は短いもので、ほぼ一夏の思い出で終わってしまっていた。それでも、幼いながらに「死」がとても悲しかった。たった数ヶ月一緒に過ごした生き物が死んだだけでもこんなに悲しいのに、数年レベルで一緒に過ごせる犬を飼ったら、お別れはどんなに辛いものになるのだろう。


そう考えると、いつしか犬を飼いたい気持ちはなくなっていた。後々のことを考えると、犬を家族に迎える勇気はない。とはいえ、一度だけでも「犬の散歩」はやってみたいなぁ…という密かな憧れだけは残っていた。(私の友人で犬を飼っている人がおらず、犬の散歩をさせてもらった経験が一度もないのだ。)


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そんな私にピッタリの観光地を見つけてしまった。茨城県にある「つくばわんわんランド」だ。ここでは小型犬から大型犬まで、好みの犬を見つけて独占できる「わんわんレンタル」が存在する。併設された広場で思いっきり遊ぶも良し、施設内をゆったりお散歩させるも良し。まるで自分が飼っているかのような夢の体験をさせてくれる


迷った挙句、初心者に易しい小型犬のポメラニアンを選択した。かなり人慣れしており、逆に不慣れな私をリードするように颯爽と先導してお散歩に繰り出した

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引っ張られるリードの感触、突然方向を変えて走り出す後ろ姿、定期的に訪れるマーキングタイム…。すべて『見たことしかない』光景を、今自分が『体験している』という感覚が本当に素晴らしかった。小型犬でも思ったより力があるな…身体って温かいんだな…表情豊かなんだな


実際に触れ合うことで初めてわかることばかり。たった数十分の散歩だったのに、かなり充実した時間を過ごさせて貰えた。



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お別れのことを考えると、自分の家族に迎え入れる勇気は、正直まだない。しかし実際に触れ合ってみることで『お別れの悲しみより数十、数百倍の幸せな思い出ができるんだろうな』ということを身を持って知った。私に新たな知見を与えてくれたあの犬たちは、今日も誰かを笑顔にしているのだう。


『犬は好きだけど絶対に飼わない』という考えから、『もしかしたら将来は犬を飼っているかもしれない』と思えるほど、今回の体験は私に大きな影響を与えている。旅行という娯楽は、将来の選択を変えるほどの力があるのだ。

だ。

ライター:あぐ