雪の絶壁を見て何を思う?幼少期と今で感じることの変化

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私は幼少期から東京で生活しており、今年で30歳を迎える。東京は本当に便利な街なので、ここで育って良かったと心から思っているが…東京ではなかなか体験できないこともある。その一つが「大雪」だ。


大雪は交通網が麻痺するし、路面凍結で出歩くのも危ないし、雪かきも大変。大人になってみると、大雪はできれば避けたい事象である。しかし子どもの目線でいるときは、一種の憧れを感じていた。東京で降る雪はそもそも積もらないし、積もったとしても数センチ程度だ。翌日にはほとんど溶けてしまう。幼少期の自分にとっては、降り積もった雪の光景は絵本やテレビの世界のように思えていた。


そんな私だったが、遂に雪の大壁を目の当たりにする機会が訪れる。立山黒部アルペンルートでは『雪の大谷』という、最高で20mにも到達する雪の壁を見るチャンスがあるというのだ。私はさっそくアルペンルートに行ってみた。


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立山駅からケーブルカーと高原バスを利用して、標高2450mの「室堂」に向かう。5月中旬だったので、ケーブルカーに乗っている間の景色は美しい新緑だった。ところが、室堂行きの高原バスに乗っていると徐々に景色が変化する


車道の両端に降り積もる少量の雪…かと思えば、その積もっている雪の高さがだんだん高くなっていく。バスは山道を右へ左へ、頻繁にカーブしながら進む。時折正面に見える大きな山脈は、まるで水墨画で描かれたように白黒の姿をしていた

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車道両端の雪がバスの車高を越えたかと思えば、あっという間にバスの2倍くらいの高さになった。『雪の大谷』をくぐるように進んで室堂に到着である。バス車内から見る雪の大谷はまさに絶壁だった。ここをゆっくりと観光するには、室堂から数分歩いて戻る必要がある。ガラス越しではなく肉眼でその姿を確認するために、私は足早に雪の大谷へ向かった。

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この日の雪の大谷は、高さ16mだったらしい。最高到達地点は例年15~20mとのことなので、文句なしの絶景だ。今まで見たことのない高さに降り積もった雪の壁。まるで海外旅行をしているような…都会で育った私にとっては「ここは本当に日本なのか?」と疑うような光景だった。


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撮影の途中、室堂へ向かう高原バスが通過した。やはりバスの車高の2倍はありそうで、雪で作られたトンネルを走っているように見える。これだけ高く太く聳え立つ雪の壁であれば、たとえ現代の発展した科学技術をもってしても除去をすることは難しいだろう。人間がどれだけ進化しても、自然の脅威には敵わないなと改めて実した。


幼少期に憧れた雪。無条件に喜び、はしゃいでいた雪。大人になった今、その憧れだった雪の壁を見ると…もちろん感動はするのだが、ある種の恐怖というか…自然の脅威に息を呑む思いがした。歳を取ると同じ景色を見ても感じることがここまで変わるのか。やはり、これだから旅は面白い