人生初の一人旅、今までの経験が一つの縁に結びついた話

これは私が人生で初めて一人旅をしたときの話です。誰かと旅行する方が好きな私ですが、「人生経験として1回くらい一人旅をしておくか」と思い立ちました。目的地は京都。観光地も多いし交通の便も良く、京都には何度か行ったことがあったので一人旅デビューにピッタリの場所です

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京都の「先斗町」へ向かった初日の夜、夕食を求めてぶらぶら歩いていると、こじんまりとした居酒屋を発見。一人旅にピッタリだなぁと思い入店しました。店内はカウンター席が6,7席あるだけで、女将さん1人で回しているようです。私が入店してドリンクを飲み始めたところで、大柄な米国人男性が入店してきました。彼も女将さんも英語で会話を始めます。

『アサヒのビールはありますか?』

『いえ、ここではアサヒはないんですよ』

『おっと、じゃあ何を飲もうかな…』

すると突然、彼は日本語で「トウガラシ、入ってる、ありますか?アレルギーです。」と言いました。

大切なことなのでしっかり練習したのでしょう。すごいな、えらいな、と思うと同時に、私は「へぇ、トウガラシアレルギーってあるんですね…!」と呟いていました。

女将さん「たまにいらっしゃるんですよ〜(日本語)。大丈夫、入っていませんよ(英語)」

男性『あぁ、良かった(以後英語)』

これをきっかけに、男性は私にも話しかけてくれるようになりました。

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男性『なにを飲んでるの?美味しそうだね』

私『あ、(メニュー表を指さしながら)これ!美味しいよ!』

と、慣れない英会話のスタートです。彼の名前はドナルド。私は義務教育でしか英語を学んでいませんのでかなり不安でしたが、ドナルドの英語はとても聞き取りやすく、8割くらいは言っていることが理解できました。それに対する返答も英語でしなければなりません。自力で5割、たまにGoogle翻訳で単語を調べて2割補完する形で、なんとかコミュニケーションを取ることができました。

ドナルドはサンフランシスコから来たこと、ヴィーガンで20年くらいお肉を食べていないこと、法廷でスペイン語翻訳の仕事をしていること、翌日は午前中に大阪、午後に東京に行くことなど沢山の会話を楽しみました。

まさか自分が英語でここまでコミュニケーションできるとは思っていませんでした。なんだかとっても嬉しいかったし、ドナルドにも「君は英語が上手だな!!」と言ってもらえたのがとっても嬉しかったです。

そして最後には、『日本語の勉強になったから』『日本のおすすめ観光地を教えてくれたから』と私の分のお会計までしてくれる男気。いや、私の方こそかなり楽しい時間を過ごさせてもらえたのに…。

そこで感謝の気持ちとして、特技の手品を披露しました。結果は大成功。ドナルドはアメリカンなリアクションで大いに喜んで、連絡先を交換する仲になりました。

今回の件を通して「色々なことに挑戦していて良かったな」と改めて実感しました。

  • 「一人旅をしよう」と思い立たなければ、ドナルドとの出会いはなかった。
  • 学生時代、真面目に勉強していたからソコソコ英会話ができた。
  • 手品をやっていたから、最後にドナルドを喜ばせることができた。

新しい事を始めるのは面倒だったり怖かったりするけれど、それをやっておいたからこそ今回ドナルドと交流できたのです。幼い頃から『いろいろな経験をしておいた方が良い』とよく言われていたものの、やっと本当の意味がわかりました。

いやぁ、本当に、旅行って普段出会えない人と出会えるから最高ですね。私はさらに旅行が好きになりました

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ライター:あぐ