大変私事にて恐縮なのですが、最近になって司書(つまり図書館員)の資格を取得し、念願叶って図書館にちょこっとだけ勤務することが決まりました。
で、『なんかそういう新米の司書に効きそうな(?)いい本はないか』と夫(公共図書館の司書です)に聞いてみました。
すると、「うちの図書館の司書みんなで回し読みしてる漫画があるよ」とオススメされたのがこちらの漫画になります。
ちょうどNHKでのドラマ化も決定したので、この記事が載る頃にはもう放送されているかもしれません。
舞台は関東地方のとある公共図書館。
主人公は、小学生ぶりに図書館に何故かやってきたヤンキーの石平君。
幼い頃に借りていた本をなくしていたことが発覚したのをきっかけに(弁償することになります)、何故か図書館でアルバイトをすることになって……という物語です。
そして、内容はといえば
「と、図書館ってそんな風に運営されてるんだ……」
「あっ、いるよねこういう人……」
「せ、世知辛い……」
の嵐なんですが、何故かどこかがすっとんきょうで、それでいて妙にリアルで面白いこの物語。
司書(図書館員)という、ある種の本好きの人間にはたまらない憧れの職業、といったイメージはちょっと瓦解気味にはなってしまいますが……。
ちなみに原作者のずいのさんは図書館に非正規職員として勤めていた経験もあるとのこと。
『図書館あるある』と『細かすぎてなかなか伝わらない司書のお仕事模様&苦労話』みたいなものがコミカルに、かつたっぷりと詰め込まれています。
ちょっと最寄りの図書館に通ってみたくなってしまいます(漫画ないしドラマとは事情が違う! という図書館ももちろん多くあるということを明記しておかねばなりませんが)
ヤンキーだけど好奇心いっぱいな、新米図書館アルバイター石平君のちょっと複雑な家庭の事情、石平君の学校の友達、そしてみんな一癖も二癖もある個性的な図書館司書さん達、これまた個性的な常連の利用者さん達の巻き起こす小さな騒動(?)などもエッセンスとして加わり、物語は進んでいきます。
そして様々なルールに基づく図書館の運営(これが司書の夫いわく、大変リアルなのです)のあれこれに巻き込まれつつ、仲間になった皆と共に送るお仕事漫画なのです。
作中には色んな本が登場します。「恩讐の彼方に」「フランケンシュタイン」「三びきのやぎのがらがらどん」「100万回生きたねこ」「蛇にピアス」などなど……。
登場する本とエピソードが秀逸なので、「この本、今度ちょっと借りてみようかな」「久しぶりに読んでみようかな」と言う気にもなってしまうというものです。
さらに、何かと話題になりがちな図書館の正規雇用と非正規雇用についても、色々と作中に描写があります。
図書館イベント(ぬいぐるみのお泊まり会とか、ちょっと前に話題になりましたね)の運営や、読み聞かせ会、移動図書館のあれこれ、色んな事情や予想外の事件(?)で七転八倒する図書館の司書さん達。
読んでいると『確かにこれは司書さん必読の漫画だわ……』と言う気になるのです。
なお、司書の夫いわく、「筋肉で解決する司書さんは本当にまじで人員として欲しい。めちゃくちゃ欲しい」とのことです。
筋肉マッチョが人気な世界。図書館司書の苦労がしのばれますね……。
もちろん図書館の関係者だけでなく、図書館普段あまり使っていない小中学生、大人の皆様へもおすすめ出来る漫画です。
そして、図書館のちょっとディープな裏事情を知ることで、読者(ドラマの場合は視聴者)の皆様が、良き利用者になることもできるこの漫画ですが、2026年8月18日現在、まだ講談社で連載中です。
さらに『税金で買った本』もうひとつのおすすめは『公式ファンブック』になります。
この本には、各エピソードまとめ、人物まとめ、図書館用語(結構本格的なものまで!)の解説、図書館Q&A、キャラクター名言などなどが1冊にぎゅぎゅっと詰め込まれています。
漫画やドラマが好きな人のみならず、司書を目指して日々勉強している図書館員の卵の皆様にも、このファンブックはとてもおすすめ。
もしも見かけたらぜひとも手に取ってみてくださいね。
そして、皆さんは図書の本をうっかり破ってしまっても(もちろん丁寧に扱うのが大前提ですが)、勝手にセロテープなどで直したりしてはいけません。本は丁寧に扱ってあげてください。
公共の図書館の本は我々の税金で買ってるんだから別にいいでしょ、とかじゃないのがこの漫画の魅力です。
なお、もし借りた本を汚してしまったり破ってしまっても、司書さんは怒ったり、カウンターの裏から筋肉ゴリゴリの司書さんがヌッ…と出てきたりもしません。
ですので、そのまま図書カウンターまで持ってきて、正直に申告するようにしてあげてください。
@akinona

