年の瀬が近づくと、筆者はいつも紙の手帳とスマホの写真フォルダを見返すようにしている。「今年はどんな年だったかな?」「今年はどこに行ったっけ?」など反芻するのが習慣になっている。
そこで本記事では、2025年の振り返りを兼ねて、今年訪れた美術展の中から印象的だった展覧会を改めてご紹介したい。さらに、来年2026年に注目したい美術展にも触れたいと思う。
2025年関西の美術展|印象的だったのは?
2025年はやはり”ゴッホの年”だった。8月に訪れた「ゴッホ展ー家族がつないだ画家の夢」(大阪市立美術館)と9月に訪れた「大ゴッホ展」(神戸市立博物館)は世間的にも注目度が高い美術展だった。
やはり今年はゴッホ一色!
「ゴッホ展ー家族がつないだ画家の夢」は『つながり』がキーワードのひとつだったように思える。ゴッホの家族と絆のつながり、作品を今世まで残した135年間のつながり、そして作品を通してゴッホに対する理解を深めようとする私たち世界中のアートファンのつながりを感じた。
「大ゴッホ展」では「夜のカフェテラス」をはじめとするゴッホの代表作を一目見ようと、多くの人が連日押し寄せていたのが印象的だった。国内のゴッホ人気を象徴するその光景は、他の日本美術の展覧会と比較しても圧倒的で、異常性すら感じるほどであった。
2026年絶対行きたい美術展!
2026年に行きたい美術展は、ある程度目星をつけている。芸術新潮の12月号(新潮社)『これだけは見ておきたい2026年美術展ベスト25』では、「ヨーロッパ美術」「昭和100年」「日本美術」がキーワードのようだ。
以下では、個人的に行きたい美術展をご紹介したい。芸術新潮12月号のほか広く調べた上、個人的趣向も含まれるのであしからず。
注目1:修繕で復活!文化財よ、永遠に2026|泉屋博古館
日程:2026年4月4日~6月28日
会場:泉屋博古館
作品そのものの美しさや価値ではなく、修繕技術やそれらを保守する人々に着目した本展では、日本の文化財について改めて学べる機会となる。
日本では古来より”繰り返し使う”意識が高い。まさに文化財もそうで、現在まで残したその修繕技術はきっと想像以上に高い水準であることが期待できる。本展では普段は見られない博物館の裏側を楽しめるだろう。
注目2:【初公開】最古の春画を観に京都へ行こう|福田美術館
「人のすがた・愛のかたち-最古の春画「稚児草紙」初公開-(仮)」
日程:2026年9月19日~2027年1月17日
会場:福田美術館
2023年10~11月に公開された映画「春画先生」とドキュメンタリー映画「春の画SYUNGA」で一時注目を浴びた『春画』を改めて楽しみたい。京都の福田美術館では2026年9月に最古の春画を初公開する。浮世絵・水墨画などのジャンルから見ても価値の高さを感じ取れるだろう。
注目3:大英博物館日本美術コレクション|大阪中之島美術館
日程:2026年10月31日~2027年1月31日
会場:大阪中之島美術館
「大英博物館日本美術コレクション」は東京都美術館と大阪中之島美術館を夏から冬にかけて巡回する。海外に流出してしまった作品の数々が帰省してくるのだ。その時代ヨーロッパやアメリカで評価された日本の芸術作品たちを、令和になって改めて日本人が見られることに喜びを感じている。早くも注目度の高い本展は公開初日に行きたいと考えている。
ライター:石倉佳奈
広告代理店で6年間営業マンとして勤務したのち、1年間日本全国の美術館をめぐるひとり旅へ。現在は美術館で看視員をしながらフリーランスライターとして活動中。国内の美術館を全制覇するのが夢。
