美術展レビュー「展覧会企画展 スウェーデン国立美術館 素描コレクション展 ―ルネサンスからバロックまで」

東京国立西洋美術館

· アート

スウェーデン国立美術館は1792年と世界最古の美術館の一つらしい。確かに考えてみればフランス革命の時期でルーブルが美術館として開館されたのもこの時期に近しい。

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フランス革命末期のスウェーデンといえば、元ナポレオンの元で元帥であったベルナドットが、その指揮能力からスウェーデン王となり、不仲であったナポレオンと対立し、そして戦勝し、スウェーデンを再興する。そんな時期に当たる。しかし、1792年を考えるとわかるがナポレオン戦争末期は1800年代であるため、それよりさらに早い時期に開館している。

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さてついつい熱くなったが話を戻そう。

そんなストックホルムにあるスウェーデン国立美術館所蔵物で今回展示されたのはなんと素描。

マニアックすぎる。

しかし、イギリス、フランス、イタリア、ドイツと非常に文化圏の境がよくわかる展示となっている。

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イギリスはやはりちょっと不思議のアリスっぽいし、イタリアはローマ時代の影響か筋肉隆々だし、フランスもローマ的だがやはりフランク族とガリア族の文化的影響のある構図が浮かぶ。

スペインはドンキホーテっぽいし、ドイツはやはりメルヘンな世界観でドラゴンとか大好き。

となるとやはりこの辺の歴史や物語は各国どう流れてきたかはよくわかるし、

なぜその絵になるかの下絵として意図がはっきりわかる。

不思議なものだ。